意識高い系の悟りの境地、オフグリッド電気代0円生活



●電気というものは日常を便利にする、とんでもない大発明である。電気があれば、洗濯機も冷蔵庫も使えるし、テレビも映る。

お米を自動で炊く炊飯器も動く。

しかし、今では電気のありがたみが失われてきている。

1950年から「(電化製品の)三種の神器」として「白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫」が普及し始めた。

当時はまだ高価だったが、頑張れば買えない値段設定ではなかった。

だから売れた。(当初は年収数年分だったが、1959年の皇太子殿下御成婚の頃には給料3カ月分並みの価格へと下がった。

平均月収2万円の時代、白黒テレビ6万円。)洗濯機も、高かったが、妻の為にと買う人が多かった。

当時は井戸の水を井戸用手押しポンプ(『となりのトトロ』にも登場)で汲み、たらいと洗濯板で洗っていたのだ。

当然、水は冷たく、手をかじかめながら洗濯物を自分の手で洗っていた。だから大家族だと洗濯だけで昼までかかることもあった。

主婦の家事の時間を短縮し、家事を楽にすることにかなりの貢献をしたのは洗濯機だった。

だから洗濯機を買った家では、午前中の時間を有意義に過ごせるようになったと、ありがたやありがたやと感謝しながら使っていたそうだ。

しかし今では家電というものは家にあって当然のもので、「生まれたときからすでに家には家電がある」ことが常識となった。

現在の家電の普及率は冷蔵庫で約98%、テレビは約97%、洗濯機は99%。掃除機も約99%。電子レンジは約96%。食器洗い機はなんと約25%。

4世帯に1世帯は食器洗い機を持っているのだから驚きだ。

スマホは50%だから2人に1人持っているということになる。

炊飯器の普及率は約85%。(ちなみに最近は「炊飯土鍋」や「炊飯鍋」など、鍋で御飯を炊くことが流行っているそうで、炊飯器の普及率は近年では減少中。)

しかし、これらの家電は本当に必要なのだろうか?●計画停電で電気、家電断食?計画停電が実施された地方では、停電しても生活はなんとかなったのではないだろうか。

何事も工夫しだいなのである。

3時間の停電であればほぼ魚介類、冷凍食品、アイス以外には影響は無かったのでは?電気冷蔵庫が普及する前は、氷式冷蔵庫(木製冷蔵庫)で物を冷蔵していた。(ちなみに初期の電気式冷蔵庫は、電気式故に故障率が高く、氷組合は「やっぱり冷蔵庫は氷に限る!!」というポスターで木製冷蔵庫での氷の売上を減らさないように努力していた。)

木製冷蔵庫の上には氷屋さんで買った氷を入れる段があった。

冷気は下に逃げるから合理的だ。

だから現代でも同じように、計画停電中は保冷剤を冷蔵庫の中に入れたりしたらなんとかなったのだ。

保冷剤ではなくても、電気が通っている間に水入りペットボトルを冷凍させておけばそれで良い。

業務用の冷凍保冷剤を使えば、3日間も持つそうだ。ブロー成形保冷剤ならばいろいろなところで売っている。

これならばドライアイスのように一度で終わりではなく、繰り返し利用できる。冷蔵庫は少し開けるだけで元の冷蔵温度に戻るまでに30分以上掛かってしまう、1分間開けっ放しにしてしまうと庫内はほぼ常温になる。

だから「暖簾(のれん)」のように庫内にビニールシートを垂らすのは上策だ。(ビニールカーテン)電気ストーブが使えなくて寒いのならば、中古の懐かしい、電気を使わないガスストーブを買えば良い。

自家発電できない水道施設の付近に住んでいる場合は、断水が起こることがある。貯

水タンクがあれば断水が起きてもそのタンクが空にならないかぎりは大丈夫である。

●オフグリッドという生き方電気は完全に無ければ不便かもしれないが、少しあればそれで充分、そして電力会社と契約するほど電気は必要がないことに気がついた。

自給自足できるのではないかと考え、まずはオフグリッドを実現しようと太陽光パネルと太陽熱温水器を導入した。

ちなみに太陽熱温水器は、塩化ビニール管で自作すれば5万円以下で済む。(設計ミス、失敗しなければ3万円ぐらい?)市販のものだと最低でも30万円掛かるから、6分の1から10分の1で住むと思えば日曜大工を頑張れるかもしれない。

太陽熱温水器の効率は非常に良い。冬でも40度のお湯が出る。太陽熱温水器は(お湯に関しては)太陽光パネルの4倍で効率が良い。

当然の話なのだが発電させた電気でお湯を沸かすより太陽光で温めた方がロスが少なく、効率が良いのである太陽光発電の場合、設置にあたって2008年頃は1kWあたり80万円の初期投資が必要だったが、2012年からは1kWあたり40万円まで安くなった。

ということは、一般的な家庭では3kW必要と言われているから、8年前は240万円の初期投資が必要だったわけだが現在では半額の120万円で太陽光発電を導入できる。(1993年は1kWあたり370万円掛かった。)量産体制が整ったことと、科学技術の進歩のおかげでオフグリッド生活に挑戦しやすい環境になってきた。

売電の話だが、4.5kW分の太陽光パネルを設置して上手く発電できたら、売電の収入だけで初期投資分のローン(太陽光発電導入費15年払い月1万円返済)を返すことが出来るようだ。

この場合は電力会社と契約する必要がある。(だが、これだと電力会社から解放されていない感があり、完全なオフグリッドではない。)

●電力会社との縁を切る私は「ソーラーカーだん吉」(←実際はほぼ電気自動車)の影響で、ソーラーパネルでなんとかなるだろうと、深く考えずに、売電しなくていいか、と電力会社との契約を解約してしまった。

当然電気は送電されない。

電気の自給自足生活の始まりである。

電力会社との契約を解約してしまった完全なオフグリッドだから売電できない。

しかし、「俺は一人で生きているぜ、電力会社なんかに頼って生きていないぞ!」という謎の達成感と、「電気会社との契約を解約して生活を始めることに挑戦したという、人生の充実感」があり、非常に心地よい。(つまりは自分に酔えるのである。)もともとバイクやキャンピングカーで旅行するのが好きだから、電気をあまり使わない生活スタイルだ。節電に関しては知識がある。

車用の鉛蓄電池と50Wのソーラーパネルがあればノートパソコンどころかちょっとした家電は使える。(ただし直結させると即壊れる。インバーターで交流100Vにする必要がある)よく考えれば、私は家ではなくキャンピングカーに住めば良かったのではないだろうか。

家自体要らないのではないか?そう考えるとマイハウスが人生で最も無駄な出費だと後悔しそうだ。

売電しないのなら、どうやってローンを返すのだ、と思う方もいるだろう。

私の場合は、自分のバイクや腕時計、懐中時計を売ることによって資金を調達した。どうやって返そうか悩むより現実的な方法を考えて行動するタイプなのだ。

ロレックスは値下がりが小さく、アンティーク、希少価値で定価より高くなることもある。

デイトジャストが70万円で売れた。(もしかすると買った時より高いかもしれない。例えば10年前は定価10万円だったスイス腕時計が今では値上がりが続き定価30万円となっている。

もっと前の1980年代ではロレックスが20万円以下で売られていた)100万円のものを買って、長い間使って売却したら70万円だった、というとき、30万円も価値が落ちたと考えるのか、それともたった30万円しか価値が落ちていないのか、と思うのは自由だ。

私は30万円で所有感、満足感を買ったと考えることにしている。

正直に言うと腕時計を売るだけで、かなりのお金にはなったが手放すのは惜しかった。

しかしオフグリッド生活ができるという期待の方が大きいから良かった。

後悔はしていない。

●オフグリッドでの蓄電最近は蓄電池である鉛ディープサイクルバッテリーに取って代わって、リチウムイオンバッテリーが定番になろうとしている。

軽くて充放電可能回数が多いのだから当然だろう。

しかし鉛蓄電池は車用ならば廃品回収屋や自動車解体屋で無料か安価で手に入る。

質より量、という選択で私は鉛蓄電池を使っている。

しかし車用は完全に放電させると劣化が激しいから、ちゃんとした「ディープサイクルバッテリー」を推奨する。(これは12ボルト全自動バッテリーチャージャーで一気に充電することも可能。

ただしバッテリーは、バッテリー液が不足すると、補充水(蒸留水または精製水)を補充しないと水素爆発する可能性があるので注意するように。

電解液(希硫酸)を補充しても爆発してしまう。

硫酸はこぼさないかぎり減ることはないからだ。

だから電解液を補充する必要はなく、通常は補充水だけを補充すれば良い。)なお、電気設備工事の際、電圧が30Vを超える場合は電気工事士の資格が必要になる。

工業高校生ならば受験して資格を持っている方が多い。

太陽光パネルだって資格さえ取得すれば自分で設置できるから、設置費用をケチることができる。

●オフグリッドで満足できないならガスや水道も止めてみよう。

ガスも解約してプロパンガスを契約したとしても、太陽熱温水器があれば風呂を沸かすのにガスを使わなくて済む。

しかし料理にはガスを使わなければならないこともある。

晴れの日は太陽光のおかげで「ソーラークッカー」で調理することが出来るが、曇りだと太陽光が足りない。

別に薪を燃やして毎日キャンプのような生活もできるが、「お前は一体誰と戦っているんだ」と言われそうだから、やむを得ず、ガスは緊急用として契約している。

上水道は菌に汚染されていない湧き水を汲めば良い。

家庭菜園も始めようかと計画している。

兼業農家になってしまうのだろうか?もしそうなると電力会社と契約しない、オフグリッドどころかガチの自給自足生活になりそうだ。

独立電源の生活をしているとといつの間にか、あれもこれも自分でどうにかできると考えてしまうのかもしれない。

車中泊好きなら持っているである「パワーコンボ」。これは「ポータブル独立電源」とも言う。(アウトドア電源)車中泊愛好者は実はオフグリッドの生活をしていたのである。

だからやろうと思えば自宅でもオフグリッド生活が出来てしまう。

「自宅とは、タイヤが付いていないキャンピングカーである」と思ってしまえば、オフグリッドな生活が当然になる。

私の経験から言うと、80Wの1150×500×35(横幅1メートル15センチ)の太陽光パネルなら、半日あれば50%から満充電になる。

説明書によると3時間から10時間が目安だそうだ。

太陽光発電は天候にかなり左右されてしまう。

●「電気を使うもの」とは「あれば便利なもの」である。

家電が無くても死にはしない。家電は無ければ不便だが、自分で出来ないことはない。

時間短縮アイテムでしかないのだ。

被災&計画停電の実施で「家電というものは実は不要」だと気がついてしまった。

例えば食器洗い機だ。自分で、食器を洗えばいいだけの話だったのだ。

ドライヤーで髪の毛を乾かしたい?吸水タオルで髪の毛を拭けばいい。

掃除機?モップで掃除しても良いではないか。炊飯器。10万円もする高級炊飯器で御飯を炊けば確かにウマイ。

しかし、車やバイクでツーリングの経験があると、キャンプをやり始め、多くの方はガスコンロと飯盒でごはんを炊くようになる。

少し焦げても美味しい。

別に炊飯器は必要なかった。

家のコンロならば炊飯土鍋でご飯を炊ける。

保温ポットやトイレの温かい温水洗浄便座(24時間で0.4kwh)。

意外と電気を食う。

無くても慣れたら困らない。

●震災後、「手回し式充電式」の道具がたくさん販売されている。

例えば懐中電灯やラジオだ。

少し値が張るものだと、スマホを充電できたりする。

小物ならば充電できるが、家電は動かせない。

手回し充電が間に合わなければ、足で回せば良いのでは?そう考える人が世の中にはたくさんいる。

自転車にリムブロックダイナモを取り付け、交流を直流にする整流ボックスを繋ぎ、オルタネーターを後輪に当てて回転できるようにし、シガーソケットもつなげて最後にインバーターを用意、そのインバーターにソケット(コンセント)を差し込めるようにすれば、自転車発電装置が出来る。

自作感丸出しが嫌ならば、バラエティ番組のようにエアロバイクを改造して「エアロバイク型発電機」にしよう。

これで曇りの日で発電できなくても、自転車を漕いで発電できる。

人力発電は低効率だと30~60ワット、効率が良いと100ワット以上。

ということは50Wの冷蔵庫ならば人力でまかなえるということである。

冷やしたい時だけ漕ぐ、というのも有りだ。

人力で20Wのノートパソコンを充電することなんて余裕で可能である。

なお、炊飯器は300W必要で、一般人は100Wが限界だからリアルタイムでの人力発電では太刀打ち出来ない。

蓄電池に蓄電すれば1000W電子レンジも使用可能。

自転車は発電機より「充電器」にするべきだ。通常、自転車で発電させても1時間の発電量は0.1kWhであるらしい。(1時間100W(=0.1kwh)=電気代2円弱。自転車発電は、時給2円ということになる。

太陽光パネルを増設するか、蓄電池を増やした方が圧倒的に効率が良い。)

なお、蓄電すれば400Lの冷蔵庫を1時間、食器洗い乾燥機を2時間動かせ、炊飯器でお米を1時間かけて3合炊ける。

人力でも意外と発電できるものである。

洗濯機も消費電力が意外と少なく、7kgの洗濯物を約1時間かけて洗濯しても0.08kWh未満だから、電力を人力で蓄電させておけば動かすことが可能だ。(標準的な家庭だと一日の電気使用量は約10~16kWh。)

しかし、自作自転車発電装置はどうやらかなり効率が悪いようで、(私にとっては家電を動かせるならそれで充分なのだが)「発電する自転車。」というキャッチコピーで売りだされている、「エアロアシスタント」を買ったほうがどうやら既成品だから手間もかからず効率が良いらしいという噂話で、アホらしくなった。

この電動自転車は別売りオプションの2次アダプターでスマホの充電が出来る。(ちなみにこの電動自転車のバッテリー容量は6.6A/h(Li-ion)充電モードレベル3で20km走れば満充電になる。

確かに家で漕ぐより外に出て漕いだほうが早いかもしれない?なお2次アダプターは12V12W以下まで1A以下という条件で使用できる。)自作すれば安上がりだが...。

財布と相談するべきである。

10万円もする電動自転車で発電する必要はあるか考えよう。

結局は「蓄電池と太陽光パネル万歳」という結論に落ち着く。

やはり人間のスタミナが切れてしまう人力発電より太陽光発電の方が圧倒的に効率が良い。

曇りの日は蓄電池をあまり使わないように、ノートパソコンやスマホを人力で充電するのが日課になった。

別に蓄電量は足りているから電気を無駄に使っても良いのだが運動代わりにしている。(畳4枚分のソーラーパネルがあれば1日で3kWh発電できる。節電家ならこの電力で行きていける。)

ソーラーパネルと蓄電池があれば、オフグリッドは充分可能である。(ただし梅雨に備えて蓄電池を増やすことをおすすめする。太陽光発電は雨の日は発電と蓄電がほとんどできない。)

最近は月額3000円で家庭用蓄電池をレンタルできるようで、オフグリッドのハードルが下がってきており、現実的になってきた。

原発に反対だと言うのならば電力を買わないという選択、つまりオフグリッドに挑戦してみてはいかがだろうか。