デザインが濁るからMacBookにSIMは刺せない

最近では携帯端末として、ほとんどの方がスマートフォンを使われていると思います。

ガラケーと違って、スマートフォンではパソコンと同じウェブ画面が見られますし、アプリを入れれば様々に機能を拡張できますから、大変便利です。ハードウェアの性能も上がっていて、人気のアイフォーンでも大画面のモデルが発売されていますので、乗り換えた方も多いのではないでしょうか。

 

大画面スマートフォンとタブレット端末の差はどんどん小さくなっていて、スマートフォンをパソコンのように使っていらっしゃる方も少なくありません。特に若い世代では、自宅にもパソコンがなく、キーボードが打てない方もいるそうです。

 

そこで、販売台数が低迷してきたパソコンメーカーは、スマートフォンなどの携帯端末との差を縮めるために、SIMカードを差すことのできるモデルをラインナップしてきています。昔であれば、パソコンを無線ネットワークにつなぐためには、PCカードスロットに携帯やPHSのアンテナカードを差さなくてはなりませんでしたが、今では携帯などに使うSIMカードがそのまま差せるようになってきているのです。

 

このタイプのパソコンでは、電源を入れるだけで、いつでもどこでもネット接続が可能ですから、携帯端末感覚で使用することができるのです。パソコンのエクセルやパワーポイントで資料を作って、出先から顧客や会社事務所に送るという使い方が出来ますから、ビジネスパーソンにも人気があるモデルとなっています。

 

しかし、日本でも人気のあるアップルコンピュータのMacBookには、このSIMカードを差すことのできるモデルがありません。それはなぜなのでしょうか?これは、アップルコンピュータの創業者であるスティーブジョブズが、大変に製品デザインにこだわりのある人で、とにかく製品はシンプルなデザインにしなければならないという、強いこだわりを持っていました。

 

SIMカードを差すためには、当然そのためのスロットを設けなくてはならず、筐体本体に切り欠きや開閉部分のラインがどうしても入ってしまいます。ジョブズはこれに納得できず、デザインとして許さなかったために、MacBookシリーズにはSIMカードが差せるモデルが無いのです。

 

もはやデジタルカメラのスタンダードとなっている、SDカードのスロットですら、最近のモデルになってやっと搭載されるようになったくらいなのです。利便性よりもはるかにデザインに重点が置かれたシリーズですが、それだけに根強いファンが多いというのもまた事実です。